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桜の花の浮かぶ水槽で

鯖も泳いでます

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ホワイト・クリスマスを

クレル姿のベアトと戦人。バトベアのようなベアバトのような。クレルベアトさんは見た目以外、基本出題編ベアト様ですが、ちょっとだけ「ずっと待ってたんだからな!」という感情が強く出てるかも。





ゆらゆらと白いものが舞い降りてくる。冷たい。寒い。
白い吐息はほんの少しだけ温かかったけれど、数秒を経過した今思えば、それは気のせいだった。
いつになったら王子様は迎えに来てくれるの?
永い永い久遠の日々に、彼の体温さえも忘れてしまった。

たすけて。たすけて。わたしをここからつれだして。むねがいたいの。はりさけそうに。あなたがこいしくて、かなしい。みたされない。こごえてしんでしまいそう。だからはやくむかえにきて。

……いったいどうしたというのだろう。
まやかしに溺れて回顧する。
自分はいったいどうしたのだろう。ここはあの島ではなく真っ白な雪の上だというのに。



――――



灰色の空。一面に続く雪原の中で、戦人はベアトを見つける。
ここはどこでもない世界。
駒置き場が漆黒の闇ならば、ここはその真逆の色を持っている。つまり、ここに置き捨てられた彼らは駒ではない。
駒ではないから、もちろん駒置き場になど放り捨てることは出来ない。ならば何置き場に? 再び思い出されることによって使役される可能性を持った駒とは違うので、『置かれた』というよりは『捨てられた』というのが正しいのだが、他に適当な比較もない。
……無理に名付けることはないだろう。どこでもない世界。盤上でもなければ、盤を覗き込むための席もない。
足跡を付けるのも躊躇われる程の見事な白妙の野。
それはまた、ここがひとつの完成した空間であることを唱導していた。

「真っ白で見えなかったぜ。その格好、真新しくていいと思ったが、この時期はこういう弊害があるんだな」

白く冷たいベットに横たわるベアト。今は触れられるほど近くにいるが、少し離れると景色に溶けこんでしまう。
今のベアトは仮初めの姿だ。ベアトリーチェとしての肉体はとっくに失ってしまったのだから。
(そして、彼女を殺したのは結局のところ自分で)
与えられたのは、盤上の彼女の母が与えられたそのキグルミと同じ物。
尤も、その母は心無い残酷な魔女によってキグルミごと裂かれてしまったから、今纏うそれとイコールで結ぶことは出来ない。

「夢を見ていたのだ。そなたが出てくる夢だった」
「へえ。どんな夢だったんだ?」

彼女の深層心理の中の自分はどんな奴なのだろうと興味がそそられる。
きっと最低な奴なんだろうな。
自分が手酷く裏切った相手を、身勝手に責めるような。

「そなたと約束をしたのだ」
「夢にまで見るのかよ。それで、どんな約束だったんだ?」

ちくりと胸の奥が痛む。しかし自分にその資格が無いと知っている戦人は、それを覆い隠して尋ねた。
ベアトは宝物を抱いた子供のように、自分だけのものでなくなってしまうのは少し惜しいとでも言うような表情を浮かべ、くすりと笑った。それほどいい夢だったのだろう。

「とっても幸せな約束。10月6日を超え、六軒島も何も関係ない、何のしがらみも無くなった妾とそなたは、クリスマスに2人きりで逢う約束をしていた。そして妾は、当日そなたを待っていたのだ」
「どうせ破るんだろ? 俺は」

そしてまた間に合わない。繰り返し。
けれどそれなら彼女はもっと自分に当たってもいいはずだ。全く関係の無いことですら八つ当たりを欠かさなかった彼女をであるならば。

「ところがどっこい、お師匠様の鶴の一声でそなたは思い出し、妾を迎えに行くため駆け出す」

ワルギリアか。彼女に直接的な助言をすることが許されたなら、確かにそんな展開もあったかもしれない。

「それにそなたは、約束自体を忘れていたわけじゃなかった。ただ無能なだけだった」
「おい」
「待ち合わせは18時だというのに8時だと思い込んでいた。阿呆だな。そして妾も愚かだった。待ち合わせの場所はツリーの前だったのに、そなたが予約したレストランの前で待っていたのだ。そなたの動向や性格を元に推理して探しだしたレストランの前でな」

そしてきっと正解だったのだろうな、と彼女のストーカー気質と頭の良さを思い浮かべ苦笑する。
自分が忘れる癖があるとすれば――まあ実際あるのだが――、彼女には、言ってもいない余計な情報を付随させてしまう癖があるのだろう。

「食い意地張りすぎだぜ。推理とか言ってる時点で俺はお前に場所を伝えていないのに、そこで待ち合わせるわけがないだろ」
「無能のくせに失礼な。むう。そうだ、だから、妾達は」
「いっひっひ、オチはわかったぜ? その後暫く待っても相手が来ないんで、よーく考えなおして、待ち合わせ場所を思い出したお前と念のためにとレストランに向かった俺が入れ違いになっちまうんだろ」

ベアトは虚を付かれたような顔で戦人を見る。

「よくわかったな無能のくせに。そうだ、そして不毛なすれ違いを続ける」
「だから無能っていうな、しつこい。んで? 最後はどうなるんだ? その顔だとハッピーエンドみたいだけどさ」
「うむ、最終的に、これ以上動かない方がいいだろうって結論に至って、その大きなツリーに凭れかかるのだ。2人とも。でも来ない。気づかない。実は裏側にそなたがいることを、妾は気づかない。逆もまたしかり。暫く待って、寒くて仕方ないから、気紛れに木の周りをぐるりと回ろうと数歩歩くと、同じことを考えていたそなたと出くわすのだ」

待てども待てども相手が来ない。しんしんと降る六花と、楽しそうに行き交う人々が焦燥感を煽り。
怒って帰ってしまったのか、それとも何かあったのではないか。事故にでも巻き込まれたのではないか。探しに行った方が良いのだろうか。けれどこれ以上動き回ったら、もしここを離れた後に戻ってきたら?
それならまだいい。もしも、最初から来てなどいなかったとしたら。

気紛れに、と言ったが多分そうではない。
きっと2人とも、「まさか、実は裏側にいました、なんて小説みたいなオチじゃないだろうな」なんて戯れ半分に、もう半分は真剣に、「いなかったらどうしよう」と寒慄し、その足を踏み出したはずだ。

(そして、漸く巡り会えたそのときには、思いっきり、ぎゅっと抱きしめて)

「なんつーベタな。お前、見かけによらず少女趣味だよなぁ」
「見かけによらずだと? この妾の何処を見てそんな口を聞けるかそなたは!」

ベアトは立ち上がり、既に腰を下ろしていた戦人より、少し目線が高くなる位置に顔を持ってくる。
腰を曲げ、ふわりと白いドレスを舞わせる。魔女というよりは、さながら雪の精のようだ。レースを施したヘッドドレスを結わえつけた長い髪が、ゆるいカーブを描く。
……少女趣味だな。うん。
戦人が1人で納得していると、ベアトは戦人に馬乗りになって、その蒼い瞳を向けた。透き通るサファイアの石のような、悪趣味な色の飴細工のような。

「でも現実は。そなたは間に合わない。だから妾とそなたは決して交わること無く終末を迎える」

――やっぱり結局はそういう話なんだな、と嘆息する。
間に合わなかった。過去の出来事は変わらない。
自分達はあの10月4日を迎えてしまい、そして戦人はベアトが散ってゆくのを止められない。
彼女のその死は、生死の価値の低い空間であっても、二度と蘇ることがない死。
戦人にその資格がないから、亡骸でさえ二度と会うことは叶わない。そう宣告されたのは記憶に新しい。

「だけど、今、ここに俺達はいるんだぜ? 葬列に加えてすらもらえなかったのに。こうして仮の姿とはいえお前と言葉を交わすことすら出来ている」
「……さぁて、なぜだろうなぁ。妾もわからぬ。神のせめてもの慈悲か。運命の皮肉か」
「お前はさ……。いや何でもない」

お前の未来を決めるのは、そんな第三者的存在なのか。それを責めたいというよりは、ただ悲しかった。

乗られているのが不快だったので、ぐるりと半回転させ、体勢を逆さにする。
そんな意図は無かったのだが、自動的に押し倒した形になり、ベアトが頬を紅潮させるのに釣られて、戦人も顔色を変える。

(……だから、そうやって赤くなるのをやめろよ。そんなつもりじゃないって……ないんだから、なぁ)

「しかし、よく似合うな」
「む? そなたはこの姿の方が好みなのか? せっかくそなた好みに金髪ボインになってやったというのに薄情な」
「いやべつに、容姿と惚れた腫れたは直結はしないと思うけどさ」

むしろそうやって、自分の好みに近づこうと試行錯誤してくれる姿自体が可愛い、と付け加える。そうそう、そうやって恥ずかしがるところも。
髪の一房を手にとって口付ける。すると頭を思い切り叩かれる。謝りつつも、退くことはしない。

「お前は雪が似合うなぁって」
「白いからか」
「まあな」
「水商売紛いの白スーツなんか着てるそなたも似たようなもんだろう」

そういえば、と自分を見返す。灯台もと暗しとはこのことか。

「……空から見たら、人間がいるって気づかれないかもな。ああ、魔女と魔術師だから間違っちゃいないのか」

この世界を、空から見守る者なんているわけがないのだが。

「ふむ。そうだな、せっかくだからそのシャツを脱げ。ついでに髪も白く染めてしまえ。そなたの祖父にいっそうよく似るぞ。それともいっそ剃ってしまおうか」

魔女がにやりと呵う。ああ、これは凶兆だ。
こんな何も無いところでどうやって染めたり剃ったりするんだ、と言おうと思ったがやめた。
そんなことを言えば、ベアトはふんぞり返って「じゃあ頭は雪に埋めておこうか」と言い出すに違いない。

「は?! せっかくってなんだそりゃ?! 脱いだら寒いじゃねーかよ、シャツを脱ぐ前にスーツも脱がなくちゃいけないわけだし。ってまさかそれが目的じゃないだろうな!」
「寒いから良いのではないか」
「いっひっひ、人肌が恋しいってか? ……。それとも一緒に雪になろうって?」

まあ前者だったら、自分はいつでも歓迎なわけだけれど。だとしたら随分積極的な話だ。……ああうん、冗談言って悪かったって、だからそんな怖い顔するな。可愛いから。

……雪になるのも、良いかも知れないな。ベアトと同じものになるのだろう? それなら何だって良い。
魔女をやめて雪になると言うなら、自分は迷わず追うだろうと、結論を出すのは造作も無い。
しかし、そんなに焦らなくてもいいのに。と思う。
何もしなくたって、……いや、自らの選ぶこと自体が重要なのか。
だとしても、もう少し語らうだけの時間を守ってもいいじゃないか。

「どちらでもよい。結果は変わらぬ」

暫くの森閑の後、ベアトは思い至ったように戦人のネクタイに手をかけた。どうやら自分の抵抗とその後の彼女の黙考は全くの無駄だったらしい。……しかしこの、自分のネクタイを外そうと頑張るベアトの姿は、意図が違うと分かっていても……。……襲うぞ?
ベアトは苦心してネクタイを外し終えると、そのまま手を止める。

「いや、そのままでも良いかも知れぬな。髪はともかくとして、胸元の紅は花が咲いたようでそれはそれで愛おしくなるやも知れぬ」
「ったく悪趣味だな。心の臓から血の花ってか?」
「いいや違うぞ。恋の花だ」

予想外の答えに、戦人は目を丸くする。

「胸に咲いた、真っ赤な恋の花。引っ張っても抜けやしない。枯れてもくれぬ。ただじりじりと蝕んで、傷めつけるだけの忌まわしい忌まわしいその花を、妾がこの手でそなたに優しく植えつけてやる」
「今も充分手遅れだよ。自然培養で間に合ってます」
「まだ足りぬ。妾が納得せぬ。妾は優しいから、妾の1000年を一分間に凝縮してやろう」

魔女は、かつてのように無邪気な表情を浮かべた。
魔法も使えないのに何をするかと思えば、戦人の隙をついて、くすぐり始める。

「! おま、やめ……っ! あ、あははははッ!」
「まだまだ足りぬっ!」
「おま……1分過ぎてるだろ……ッ! 余剰分支払えッ!」
「ひっ、ひゃあああああッ!」

仕返しにくすぐってやると、ベアトはうわずった声を上げた。
猫がじゃれ合うようなやり取り。それまでの暗澹とした気分も妖しさを纏う空気も、即座に吹き飛んでしまう。
負けず嫌いな2人がそんなことを始めたからには、終わりが遠ざかるのは目に見えていたことで。
暫しの後、ひとしきり騒いで疲れきった2人は、雪の上に転がった。

「ベアト、もう、寝ちまったのか……?」

声はない。小さく、頷いたようにも見えた。

「そっか。じゃあ俺も、すぐにそっちに行くよ。お前の夢の中へ」

戦人は、ベアトを抱きしめる。そして彼もまた、同じように瞑目した。











――結末は、変わらない。1986年10月は、もう終わってしまったのだから。



――――



寝室に、ノックの音が数回響いた。
白く温かいベットに横たわるベアト。

「ベアトー? 呼んでも返事がしないから勝手に入るぜ。なんだ、起きてるじゃねぇか」

遠慮無く――まあ共用の寝室なので遠慮は要らないのだが――入って来た戦人と、目が合う。

「今の今まで、夢を見ていたのだ。そなたが出てくる夢だった」
「へえ。どんな夢だったんだ?」
「いっしょに、雪になる夢」
「……ふうん? よくわからねぇな。魔法で、か? ほら、ホットミルクだぜ」

そう言うと、戦人は湯気がたつミルクがなみなみと注がれたマグカップを手渡す。温度も量も、限度というものがあるだろうに。

「まあそんな感じだ。食事はないのか」

腹が空いて仕方がない。自身も待ち合わせの場所を勘違いしていたこともあり、強くは言えないとはいえ、腹の虫が収まらない。主に鳴るほうで。

ベアトリーチェは生まれつき身体が弱い。それに、六軒島から出たことが無いだけあって、寒さには慣れておらず、めっぽう弱いらしい。他人事なのは、自分もつい先程まで気付いていなかったからだ。
結果的に、過保護なワルギリアが1番状況を把握できていたということだ。
当のベアトは、戦人が「そのくらい俺が理解してあげていなくいけなかったのに……」と何かと世話を焼いてくれるので、「悪くないかも」と今でも呑気にほくそ笑んでいたりする。

「ちょっと待ってくれな、まだ店のほうのオーダーが終わってなくてな。日付が変わる頃に、シェフだけだが来てくれるぜ」
「おい、出張サービスかよ! 自由な金はねぇって言ってたのは誰だ!」

ベアトがツッコミを入れると、戦人は不服そうに頬を掻く。

「必死に貯めたんだよ悪かったな。さすがにシェフ以外は連れてこれなかったから、飲み物はロノウェの紅茶だけだが。代わり映えしなくて悪いな。食欲あるか?」
「ある。くくく、ロノウェに鶏のごとく逆さ吊りにされても知らぬぞ? ああ、その前にワルギリアに三枚下ろしにされるやもしれぬな!」

ベアトが軽口を叩く。逆さ吊りにされたまま魚のように下ろされる戦人を想像して笑いが漏れた。
反対に、戦人の顔が蒼くなる。

「うおぉ、冗談じゃすまされねぇ……ワルギリアのやつ、さっき包丁持ってた笑いかけてきたんだよ。それが魚くせぇのなんの!」
「ご愁傷様であるな」

ベアトがそう言うと、戦人は深く息を吐いた。温かい室内では、吐息が白く濁ることはなかった。

「せっかく雪が降ったのに、寒いだけで散々なクリスマスになっちまったな」
「確かに白雪のせいでろくな目に合わなかったが、ホットミルクも白いから、温かなホワイトクリスマスでもよいではないか」

それもそうだな、と戦人は晴れやかに笑った。


End


――――

December.25.2010

――――


蛇足
クレルコスベアトが語った夢?の内容です。



『2人で飯でも食いにいかねぇか? その、高いもんじゃなきゃお前の好きなもんでいいし』
『次期当主様のくせにケチだな』(みんな生存ルートなので戦人が碑文解いた設定)
『うるせぇやい。お前も知ってるだろうが。インゴットは使えねーし、換金したのは親父達に配当したし、俺が自由になる金はねぇんだよ』
『冗談だ。そうだな、イタリアンが食べたいぞ』
『おっけー、んじゃ24日の夜、どこがいいかな、ああ、でっかいツリーが立っただろ? せっかくだからあそこの前で待ち合わせしよう。そのツリーが見えるとこ予約しとくからさ』
『そういうのは当日まで内緒にしておくものだぞ……。ま、まぁそれでよい。別に戦人とイヴデート出来て嬉しいわけじゃないんだからな///』
『そっか、嬉しくないのか……』
『えっいや違うぞ!? あーいや嬉しくないこともないようなそうでもないような気がしないでもないような気がしたけどそんなことはなか』
『なんだかわからないからはっきり言ってくれ』
『~~~っ、自分の無能さを呪いやがれ!! ……ばか』
『なんなんだよ……』
『とにかく! 18時な! あやつらのパーティが始まる前に抜けねば絡まれてそのまま日付を越してしまうでな、忘れるでないぞ!』


5:55

「あれ? ベアトがいねぇ。時間再確認しようと思ったのによぉ。つーか一緒に行っても良いんだけどな。ベアトはどっちの方が好みなんだろ」
「ほらほら、戦人も飲めって! ひぃっく」
「うお! いきなり絡んでくるなよ朱志香ぁ! もう始まってんのか!?」
「こら、朱志香ちゃん、未成年に飲酒勧めちゃだめだよ、って飲んでる!?」
「嘉音くんが似合わないって言ったー! ずっと私から目を逸らしてたんだ、……わ、私のドレス姿は見るに堪えないって言うのかー! うぜーぜー!」
「朱志香お姉ちゃん、それ照れてるんだよ、うー。嘉音は照れ屋さんなんだから朱志香がリードしてあげなきゃ!」
「うりゅー、真里亞大人!」
「うおおおおおおオオオォォォォォォォオオオオオオオッ!!」
「戦人様ァ、嫉妬に染まった2つの目が戦人様を見つめてますよ、なんで順調に師匠の恨み買い込んでるんですかぁ……ひ、ひいいいい霧江が怖い霧江が怖い霧江が怖……うわああぁぁぁあん!!」
「ああッまたレヴィアが泣きだした! ちょっと戦人様宥めるの協力してくださいよ! パーティー抜けだそうったってそうはいかないんですからねー!」
「うえぇ?! いや、俺はだなぁ!」
「ベアト様との約束は何時なんですかァ!」
「8時だけど」
「じゃあまだまだ時間あるじゃないですか! 参加してくださいー!」


6:25

「戦人くん、行かなくていいのですか?」
「へ? まだ6時半にもなってねぇぜ」
「はぁ。でも約束は6時でしょう?」
「――え?」

>>『とにかく! 18時な! あやつらのパーティが始まる前に抜けねば絡まれてそのまま日付を越してしまうでな、忘れるでないぞ!』
>>『とにかく! 18時な! あやつらのパーティが始まる前に抜けねば絡まれてそのまま日付を越してしまうでな、忘れるでないぞ!』
>>『とにかく! 18時な! 忘れるでないぞ!』
>>『18時な!』

「――――ッ! い、行ってくる!」
「ベアトに何かあったらただじゃ済みませんからね<●><●>」
「ワルギリアに言われるまでもなくあいつに何かあったら俺は死にますから!」
「いくらなんでも30分足らずでは一大事にはならないと思いますが。お嬢様が鼻風邪を引いたくらいでも、戦人様はお亡くなりになるのでしょうかねぇ、ぷくく」
「え、当然じゃないですか? どこに笑う要素がありましたか?」
「……過保護パネェ」

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