桜の花の浮かぶ水槽で
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二言目には" " Scene2
Scene 2:ベアト&ルシファー:バレンタイン前日
調理室――。
そこで無言で向かい合う、二つの影。
「……」
「……」
バレンタイン前日、ベアトリーチェは戦人贈るチョコレートを作る為、一人調理室に向かった。
昨年はガァプ達のデバガメにあった為今年はあらかじめ予防線を張り、覗きに来ないと赤で宣言までさせていた。
だから今年は誰にも邪魔されず、一人で自由に出来るはずだった。……が。
「ベアトリーチェ様、どうして……なんて、聞く必要ないですよね……」
「ルシファー……か」
これがもしガァプならば。
散々からかわれまくるだろうが、ここまで気まずい状況にはならなかっただろう。
今日、この場所での雛と鉢合わせは、最悪のシチュエーションだ。
二人とも同じ相手に……戦人に贈る為だということは明らかなのだから。
しかも自分は妻、相手は片想いで修羅場……ん?
……なんだ。
(妾は堂々としてりゃ良いんじゃねーか? 本妻なわけだし)
愛人ではなく片想いなのだから、本妻も何もないのだが。
そもそも新婚の男にバリバリ本命なチョコを贈るなという。
ベルフェの留弗夫との関係を半ば容認している時点で七姉妹はそこら辺の倫理は関係ないのか。
自分の言えた話ではないが。
「ベアトリーチェ様は、お料理の経験は?」
「何を言うか、妾を見くびるでない。去年はちゃんと手作りチョコを戦人に贈ったのだぞ」
去年、という言葉に雛はピクリと反応する。
ルシファーは去年、ロノウェ特製のチョコレートをベアトリーチェ同様手作りと偽って贈り、ベタ褒めされていた。
今年、自力で作ると決めたのはその事を暴露するためでもあり。
「そういえばそうでしたね。でも本当にご自分で作られたのですか?」
「うむ、手ずから作ったぞ(チョコじゃないものが出来たけど)」
本妻は堂々と! というコンセプトを元に胸を張りながら赤で答える。
ちなみに()内は心の声である。
「お一人で?」
「ロノウェやお師匠様を始めとする第三者には一切製作を手伝わせてないわ(第二者には思いっきり手伝わせたけど)」
「そうですか……」
「そういうそなたはどうなのだ?料理は出来るのか?」
「七姉妹は家事が当番制なので。週一で作ってます」
「ほう」
ベアトリーチェは目を細める。
(あるのかよ。つか週一って)
その経験値の結果がどのレベルかはわからないが……完璧に負けてることは確かだ。
去年のバレンタイン、いやホワイトデーのチョコ製作は正直、殆ど戦人がやっていたと言っても過言ではない。
自分一人が作っていた時は、謎の生命体が発生したりしていた。
結婚してからも、本当に最初の最初を除き、家事担当はロノウェ。
(本妻として負けられぬ……ッ)
「ふ、その程度か。ここは妾が使う。そなたは別の所を使うが良いわ」
「……嫌です」
「何?」
何と言うか、最近この家具、自分に噛み付き過ぎじゃないか?
確かに今は自分直属の家具じゃないが、元上司なのに。
まあ、気分はわからないこともないが。
自分が逆の状況なら絶対腹いせに大量虐殺起こすし。
※起こさないで下さい。
「私、ベアトリーチェ様に負けるつもりはありませんからっ」
「ほう、では勝負と行こうではないか? どちらがより戦人好みのチョコレートを作れるか!」
「望むところです!」
二人は睨み合うと、早速作業に取り掛かる。
そこからは足の引っ張り合い。
数時間後、二人はそれぞれチョコレートを完成させたが、背後には荒涼とした古戦場が遺されていたのは言うまでもない。
主にベアトリーチェのせいで。
(完成品に夢中。散らばった食材と調理器具の行方なんか知らない)
――――
February.11.2010
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