桜の花の浮かぶ水槽で
鯖も泳いでます
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花言葉の10題 1
一つ一つ独立しており世界観は全く別です。
もう間に合わないのです。
あなたがどんなに必死になろうとも、私にあなたの声は聞こえないのです。
なぜなら、あなたが私の声を聞かないのだから。
あなたが私の声に気付かないのだから。
「お前は一体、誰だ!?」
教えて下さい。
私は誰なのですか?
あなたの望む私にはなれなかったのですか?
「…………」
「お前なんか、認めない! 魔女なんかいない!」
嘘を一つつきました。
みんな信じました。
彼も信じました。
けれど千年の時を経て、彼だけが約束に背きました。
私は彼が大好きでした。
「ベアト……リーチェ?」
追い付きません。
あなたの時間には追い付かないのです。
なぜなら私はもう消えてしまったのですから。
私は彼が大好きです。
私達の黄金の郷に、どうか花を一輪。
彼岸花《悲しい再会》
「お嬢様、私の話聞いていました?」
「へっ?! あ、ごめん」
雲一つない晴れの日はぽかぽかと暖かい。
自室の窓際に陣取る私は、紗音の声にはっと現実に引き戻された。
「あ、惚気話はもう聞きませんからー耳たこですからー」
「な、なんでそうなるんだせ! 嘉哉君は関係ないんだぜ!」
「私が知らないと思ったら大間違いですよ~☆」
「紗音んんん~!」
そんな真っ赤な顔で否定されても困りますよ? としたり顔で笑う紗音に騒がしく反論して、けれどまたつい太陽を見つめてしまう。
君は私のことを太陽だと言ったけれど、違うと思うんだ。
私にとっての太陽が、君。
君を見つけなかったら、私はこんなに生き生きとした毎日を送ることは出来なかったのだから。
だから私は。
向日葵《わたしはあなただけを見つめる》
「奪われたくない、って思うんだ」
星一つ見えないその夜の姉は、いつもより何倍も綺麗だった。
「嘉音君、どうしたの?」
首を傾げるそのすら姿も聖女のようで、僕以外の男に汚されるのが、堪らなく恐ろしかった。
この白い指に銀の輪が通ることに、虫酸が走った。
彼の手が、唇が、体が、彼女に触れることに……。
「奪われたくないって、思うんだ。姉さん」
「嘉音君、やきもちなんて可愛いなぁ」
「でも仕方ないとも、思うんだ」
「うふふ、嘉音君にはお嬢様がいるじゃない。私も妬いちゃうなー大事な弟とが取られちゃう、って」
紗音は、いたずらっぽく微笑んだ。
なんにも理解しない。
だから、弟でいられたのだけれど。
でも、もう。
「だから、僕が奪ってしまえば良いって思ったんだ」
「………え?」
ほんの瞬き一つの間だったと思う。
紗音には、一つすら許されなかったかもしれない。
けれど僕は立ち上がり、蛍光灯に照らされていた彼女を僕の影に入れた。ゆっくりと目を閉じて、最後焼き付いたその紅を引いた唇を、頭の中でも夢想して。
ほんの束の間だけ、彼女を手に入れたのだ。
さよなら。
僕はこの島を出て、もう二度と会えないと思うけど。
僕があなたに抱いたのは、あなたがどんなに否定しようと。
ナデシコ《純粋な愛情》
「お母さん!」と、きらきらと目を輝かせて駆け寄ってきたのはいつ頃までだっただろう。
「母さん、僕は紗音と結婚する。この事実に母さんの意志は関係がない。二人の問題だって分かってくれるよね?」
「尊敬する人」と銘打たれた作文に、私達のことを書いてくれたのはいつのことだったのだろう。
いつから私は、あなたに「関係ない」と切り捨てられる存在になってしまったの?
………それは、もう返らない。
蓮《遠くへいった愛》
たまに、彼女の言葉を思い出す日がある。
「にぇー」
「何を言いたいのか、それだけではわからないであります……」
「ありがとうにぇー」
45はその言葉だけで、かつての仲間の事を思い浮かべ俯いた。
「………556でありますか」
「556がこう言えと言ったにぇ」
「誰に、言うのでありますか?」
きょとんとした顔で首をもたげる。
に、鈍いにぇ。重症にぇ。
「????」
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