桜の花の浮かぶ水槽で
鯖も泳いでます
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言葉で五つのお題・童話編
†眠れないったらありゃしないの。だってお父様が毎晩私のところにいらっしゃるから(白雪姫)
「お父様?」
少女がそう尋ねると、お父様、と呼ばれた壮年の男は眉間に皺を寄せる。
「誰が言った」
ティーカップを置き立ち上げと、明らさまに不機嫌に、男は尋ね返す。長く艶やかな金色の髪を、編んで結上げている少女は、聞いてはいけないことだったのだ、と理解する。
「熊沢が言っていたわ」
「熊沢……成る程わかった。良い」
自らの世話をする家政婦の名を口にすると、どうやら男は納得したようだ。
自分の名を言えば彼はあなたを怒りませんよ、と彼女が言った通り、金蔵は澄ました顔で座り直した。よくわからないけれど、熊沢は何か知っているらしい。
「私のお父様なの?」
「黙りなさい。……関係のないことだ」
「……はい」
穏やかな穏やかなティータイム。今日は自分から壊してしまった。
そしてこれが終わったら、彼は今夜もこちらに泊まるのでしょう。
†本当はこんな色の服が欲しかった。お父様もお母様も見る影もないけど、最後にこんなプレゼントをどうもありがとう!(赤頭巾)
ドロドロ、ドロドロ。
私の手には、とても素敵な色。本当は、私が一番好きな色。
「……こんな派手なのは右代宮に相応しくないとか、言われてたもんなぁ」
グチャグチャ、グチャグチャ。何の擬態? ……私が壊した“人形”の現状。
「……だって私に、真っ赤な服を買ってくれなかったから」だからね、お母さん。お父さん。
同じ色の人形を手に入れたの。
お母さんとお父さんそっくりのね?
ありがとう!こんな素敵なプレゼントを。
もう二度と動かぬ愛しい人へ。
†いっつもお腹が空いて仕方がない。お兄様、私よりもお母様と仲が良いのを私が知らないとでも思っていて?(ヘンゼルとグレーテル)
(「あなたの一番愛する人が、 」の続き?)
真っ直ぐに、立っているのもやっとだった。
やっと、やっと辿り着いたお兄ちゃん! もう離さない。絶対に連れ戻すの。
「グレーテル?」
「・・・あなた、やる気あるの? どこまであいつらと馴れ合うつもり?」
早く、早くあんな奴ら倒して! お兄ちゃんばっかりズルイ! 私はひとりぼっちなのに、お兄ちゃんの周りには、いっぱい、いっぱい……。
早く私だけのものになって。帰ってくるのはあなただけでいいの。
……お父さんがいない夜、お兄ちゃんとお母さんが私を放って二人で寝てたこと、忘れたフリしてあげるから。
だから早く、私だけのものになって……?
†汚くてもいい、蔑まれても構わない。いつか幸せになれることを夢見て、私は地を這い蹲ってでも生きている(シンデレラ)
汚れたハイヒールを、布でそっと拭く。そして、綺麗になったそれを、勢いよく床に投げ付ける。
パリン、という軽快な音ではなく、もっと鈍い音がした。当然だ。だってこれはガラスの靴じゃないもの。
それでも、期待していた。無くしたもう片方の靴を持って、王子様が迎えに来てくれること。年甲斐もなく……。
娘が言いました。
シンデレラには魔法使いが必要です。だから信じて? ベアトリーチェはいる!
私はいつまでこの子の戯言に付き合えば良いのでしょう。それとも、いつか私は、信じてしまうのでしょうか。
私が殺した森の魔女が、私を救って下さると。
†本当に怖いのは、狼よりも僕たちを売り飛ばしたお父さんとお母さん。僕たちは売られて食べられてしまう(狼と仔山羊)
迫ってくる……! 俺を殺すために敵が迫ってくる! そして俺も、相手を殺す為に迫る!
ドン!たった一瞬の隙で、チェックメイト。なんだ、たいしたことないな今回も。ヒャッハ!
全部全部練習台。俺の目的はこんなやつらじゃない。絶対に復讐する……。“あの家”に。
あの日恐ろしかったのは、目の前の殺人兵器ではなく、笑顔の両親でした。
お題
BITDRESS様
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